《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
それだけの時間が流れて
たんだと、改めて思った。




「お帰り、紗耶。

珪クン、連休を利用して
直杜に挨拶しに来てくれたのよ」




驚きで何も言えない
あたしにママがそう説明する。




たしかに、リビングの奥に
設けた祭壇からお線香の
臭いが漂ってきてた。




「連休っつっても、今日は
サボりだけどな。

ま、卒業は問題ないから
いいんだけど」




冗談めかした口調で言って
珪はハハッと笑う。




だけどあたしが同じように
笑うことがないのを
知ると、すぐにやめた。



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