《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
少し寂しそうな真顔に
戻った珪は、




「……まだ、落ち込んでんのか」




「……………!!」




激しい憤りが胸の奥から
込み上げてきた。




(落ち込んでるか、って?

そんな……そんな生易しい
感情じゃないよ……!!)




珪には、きっとわからない。


あたしの悲しみが
どれほどかなんて。




まるで自分の分身が消えて
しまったかのような、
こんな空っぽな気持ちなんて。




「珪には――わかんないん
だよ……!」




珪は何も悪くない。




_
< 400 / 448 >

この作品をシェア

pagetop