《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
そんな事は百も承知でも、
すっかり心の枯れて
しまったあたしは、
言わずにはいれなかった。




ちっとも悪くないのに
こんなふうに言われて、
さすがの珪も怒り出すん
じゃないかと思う。




でも珪は何も言わず――

その代わり、唐突に
あたしの手をグイッとつかんだ。




「――――!? な、なに!?」




面食らうあたしを珪は
強引に引っ張り、




「ちょっと、出かけようぜ。

すいませんおばさん。
紗耶、借りていきます」




ママにそう告げると、
さらにグイグイ引っ張って
あたしを家の外まで連れ出した。



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