《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「まだ、自信はない。

だけどお兄ちゃんに心配
かけたくないから。

悲しませたくないから。

だから――…」




最後はうまく言葉に
できなかった。




でも珪はちゃんとわかって
くれたみたいで、安堵した
ような柔らかい笑みを
浮かべ、もう一度ギュッと
あたしを抱きしめた。




「紗耶……。

オレ、高校卒業したら
この町に来るから」




「えっ!?」




ギョッとして思わず珪の
腕を逃れ、その顔をマジ
マジと見つめてしまう。




「この町にって……だって
珪、自分の町の生活は!?」



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