《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「うん――あたしも珪と、
一緒にいたいよ。

珪のことが、大好きだから」




忘れかけてた気持ちを、
思い出した。




珪が、お兄ちゃんが
気づかせてくれた心。




人を好きになるっていう感情。




「珪………大好き。

これからもずっと、
あたしのそばにいて――」




想いを込めて伝えると、
珪は『ああ』と言って
しっかりと頷いてくれた。




だけどそのすぐ後に続けて、




「ひとつだけ、言っとか
ないといけないことがある。

オレと一緒にいることは
……もしかしたら紗耶に、
今まで以上の苦悩を強いる
ことになるかもしれない」



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