《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「ママ――……」




切なさで胸がキュッと
苦しくなる。




触れた部分を通して、
ママの後悔が伝わってくる
みたいだ。


だけど、




「ママは悪くない。

あたしとお兄ちゃんが、
ただ少しずつだけ弱かった。

だからどうすることも
できずに、何年もズルズル
過ごしちゃったの……」




でもそれはママの責任
なんかじゃないし、
気づいてなかったからと
言って、あたしはママを
母親失格だなんて思ってない。




「ひとつだけ言える。

あの、病室で会った最後の日。

お兄ちゃんは、
幸せだったと思う」



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