《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
涙で顔をグシャグシャに
するママを見て優しく
ほほ笑んだ、お兄ちゃんの笑顔。




あの満たされた笑顔は、
今でもあたしの胸に焼き
ついて離れない。




「お兄ちゃんはきっと、
ママの息子で幸せだった
って、思ってると思うよ――」




ママの手に自分の手を
重ねて、あたしは言った。




ママは潤んだ瞳であたしを見て、




「それなら……嬉しいわ。

あたしも、直杜が息子で
いてくれて本当に幸せだった。

血は繋がってなくても、
あの子は正真正銘あたしの
自慢の息子よ」



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