《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「だからね、紗耶。

あなたの家族は間違い
なく、あなたの記憶の中の
パパと、直杜よ。


だけど覚えておいて。

この世のどこかに、紗耶と
血を分けた父親と、兄妹が
いることを」




「ママ―――…」




その言葉を聞いた時、
ようやくなぜママがこんな
話をし出したのかが
わかった気がした。




「血の繋がった……
父親と、兄妹――……」




ママのセリフを口の中で
反すうする。




ママがためらいがちに
尋ねてきた。




「――その二人は……
あなたにとって家族だと
思う?

紗耶―――」



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