《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
       ***




冬が終わり、町に桜の
花びらが舞う季節がやって来た。




鮮やかな緑が繁り桜並木が
美しい土手の道を、
あたしは進む。




いつもの場所で草むらに
降り、川岸を目指した。




そうして――…あたしは
そこで出会う。




あたしを待つ、あたしの
大切な人と。





「よぉ―――来たんだな」




秋よりもさらに髪の伸びた
その人が、ゆっくりと
あたしを振り返って言った。




「――来たよ。

だって約束だったじゃない」



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