《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
桜の咲く頃、もう一度
ここで会って。


それからはずっと、一緒に
生きていこう。


――そう、約束した。




「……聞いたんだろ?

おばさんから」




「“本当のパパの話”としてね。

だけど、わかったよ」




ママはハッキリとは言わな
かったけど、なんとなく
わかった。




そして今、それはひそかに
確信となってる。




「直杜さんは――全部
わかってたみたいだ。

あの日あの人、オレのこと
“楠名クン”って呼んだだろ。

オレ、直杜さんには
名乗ってなかったんだ」




「そう――だったんだ――…」



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