《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
本能、か。




たしかにそれは存在
するのかもしれない。




もしかしたらあたし
だって、最初はあたしの
中に眠る血が珪に惹かれて
たのかもしれない。




でも――あたしもこの
数ヶ月、毎日必死で考えた。




だけどやっぱり、何度考えても。




――出てきた答えは、
ひとつだけだった。





「珪が、好きだよ。

血の繋がりなんてどうでもいい。
珪が珪だから好きなの。


だから、これからもずっと
一緒にいたい」




ありったけの想いを
乗せて伝える。




珪は真ん丸に見開いた目で
あたしを見下ろして。



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