《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
お兄ちゃんの記憶の中
にも、あたしと同じ光景が
あるんだろうか。




幼い頃、時間も忘れて
走り回った。




暗くなってもあたし達には
お迎えは来ない。




でも、夕暮れ道でも
お兄ちゃんが勇敢に
あたしの手を引いて歩いて
くれるのを知ってたから、
あたしはホントに、何も
気にせずに走り回ってた。






――夕焼けに染まる、
懐かしい光景。




_
< 56 / 448 >

この作品をシェア

pagetop