《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「いいわね、自由で」




ふと気づくと、そんな
言葉が口をついて出てた。




珪はキョトンと首をかしげて、




「――自由? 

別に、自分のしたいこと
やってるだけだけど?」




「だからそれが、自由じゃない」




「そうか?

せっかくの夏休みなん
だから、みんなしたいこと
するだろ――」




そこまで言って、珪は
ハタと何かを思い当たった
ように言葉を切り、




「あ……もしかしてお前が
バイトしてんの、なんか
理由が……?」



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