《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「ありがと」




あたしは素直にお礼を
言って、視線を珪から目の
前を流れる川面に移した。




澄んだ水がとうとうと流れる川。




対岸に何人かの釣り人が見える。



平和でのどかな昼下がりの風景。





「この川の歴史とか、地域
との繋がりとか――そんな
難しいことは、あたしには
わかんないけどさ。

ここで暮らしてきた
あたしの他愛ない思い出で
よかったら、あるよ」



_
< 72 / 448 >

この作品をシェア

pagetop