《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
川の方を見たままで言う
と、珪が『えっ?』と
驚いた顔でこっちを
見るのがわかった。




「思い出?

ウン、そんなのでも全然
かまわねーよ。

それ、聞きたい!」




勢い込んで言う珪に、
あたしはチラッと彼を
見て苦笑する。




そして静かに深呼吸すると
ゆっくりと話し出した。




「……うち母子家庭でね。

子供の頃から、遊び相手
って兄妹しかいなかったの」



_
< 73 / 448 >

この作品をシェア

pagetop