《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
そして珪は最後に、
「てゆーか、
紗耶のお兄さんって
いいお兄さんだったんだな」
優しい笑顔で言われて。
あたしは、すぐには返事が
できなかった。
だけど少しの間のあと、
あたしもフッと小さく
笑いながら、
「―――ウン。
そうだよ――…」
あの日のあたしには、
まぎれもなく。
ギュッと握ってくれた
お兄ちゃんの手の暖かさ。
一緒に歌う鼻歌のメロディ。
_
「てゆーか、
紗耶のお兄さんって
いいお兄さんだったんだな」
優しい笑顔で言われて。
あたしは、すぐには返事が
できなかった。
だけど少しの間のあと、
あたしもフッと小さく
笑いながら、
「―――ウン。
そうだよ――…」
あの日のあたしには、
まぎれもなく。
ギュッと握ってくれた
お兄ちゃんの手の暖かさ。
一緒に歌う鼻歌のメロディ。
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