《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
そして珪は最後に、




「てゆーか、
紗耶のお兄さんって
いいお兄さんだったんだな」




優しい笑顔で言われて。




あたしは、すぐには返事が
できなかった。




だけど少しの間のあと、
あたしもフッと小さく
笑いながら、




「―――ウン。

そうだよ――…」




あの日のあたしには、
まぎれもなく。




ギュッと握ってくれた
お兄ちゃんの手の暖かさ。




一緒に歌う鼻歌のメロディ。




_
< 78 / 448 >

この作品をシェア

pagetop