《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
お兄ちゃんがジッと
あたしを見てたから、少し
たじろぎながら尋ねた。




お兄ちゃんは涼しげな顔をして、




「いや、別に。

本当に最近楽しそう
だから、何か外でいいこと
でもあるのかなと思って」




「――だから、気のせいだって。

別に何もないよ」




嘘じゃない。




珪と知り合った以外は何も
新しいことなんてない、
代わりばえのない単純な毎日だ。



_
< 85 / 448 >

この作品をシェア

pagetop