《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
だからあたしはそっけない声で、




「警戒してたんでしょ。

知らない男にいきなり
声かけられたんだから」




とだけ言って、自分から
その話を終わりにした。




(ウキウキにのびのび、か。

ここでこうやって過ごす
ことで、あたし、意外と
救われてるのかも
しれないな……)




今になって初めて、そんな
ことを認識しながら。





あたしが何も言わなく
なったんで、珪は紙面に
色を落とす作業を再開する。



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