レモン白書~チャラ男との命がけの恋~
幾が生きられる時間……
もうそれほど長くないんだってなんとなくわかる。
誰が言った訳でもないのに幾を見てるとそう思う。
「Xmas、旅行しよっか。」
窓の外を眺めながら急に思い立ったかのように幾がはしゃぎ出した。
「幾……でも……。」
「檸檬が約束してくれるなら、俺おとなしく治療うけるよ。」
「何それ脅しっ。」
「もちろん。 うんって言ってくれないなら薬も飲まないからな!!」
「何それっ わかりました。 行きます!! 行けばいいんでしょう!!」
「言ったからなっ絶対だからな。 指きりだ!!」
幾が指をわたしの前に出す。
「ハイハイ。 指きり弁マン……」
懐かしい歌なんか歌ってみる。
「約束だからな。」
「約束ね。」
「泊りだからなっ。」
「えっ///。 そんなの聞いてない!! そんなのムリだよ……」
「約束しただろう……約束は絶対ってきまってんだよ。」
あまりに幾が真剣だったから 「うん。///」って頷いちゃったよ。
約束が絶対っていうなら生きて……生きてほしい。
生きてわたしと一緒に幸せになってほしい。
幸せにしてほしいなんて思わない。
ただ寄り添って……
ふたりで生きていきたい。