レモン白書~チャラ男との命がけの恋~
Xmasは雪になる予定。
この頃幾はボ――――と外を見て過ごす時間が増えた。
「なぁ檸檬……旅行楽しもうなっ。」
「でも、幾退院出来ないんじゃない?」
「バ―――カ。 意地でもしてみせる!! 」
行き場所なんてどこでもよかったんだよね。
ふたりが楽しければ。
幾が小さなペンションを予約してくれた。
本当に小さくて、見るからに温かそうなオーナー夫婦。
インターネットの向こう側でニコニコと笑ってる動画がアップされてる。
「素敵なところだね。」
「おぉ。」
「楽しもうね。」
「おぉ。」
幾が満面の笑みで笑った。
わたしも幸せだったんだ。
幾が笑っていてくれたらそれだけで幸せだった。