レモン白書~チャラ男との命がけの恋~
親の反対も押し切って、それでも幾はこの旅行を選んだ。
「最後かもしれねぇんだよっ 最後のチャンスかもしれねぇんだよ。」
幾の叫びを誰も止める事は出来なかった。
〝今度、元気になってから行こうよ〟
そんな気休めもう通用しない。
親不孝だとしても。
両親を泣かせたとしても幾の決意は強かった。
「この旅行に行けたら俺もう何もいらない。だから……」
幾の命の叫びをもう誰も止められない。
「行っておいで。」
幾のお父さんが、泣き喚くお母さんを抱きしめながら言ってくれたんだ。