レモン白書~チャラ男との命がけの恋~
『終点で―――す。終点……』
車内にアナウンスが流れる。
ふたりで手をつないで肩を寄せて眠っていた。
目を開けるとそこは一面の銀世界。
「幾、起きて。 起きてってば!!」
「あ―――っ 何だよ。」
面倒くさそうに幾が目を開ける。
「見てっ 見てぇ。」
思いっきり幾の肩を叩く。
「痛ぇなっ。」
「ごめん。 でもあまりに綺麗だから……」
幾が怒るもんだからテンション下がっていく。
「こんなんで、その調子なら先が思いやられるな。」
幾がわたしの頭をポンって叩く。
「もう。 子ども扱いしないで!!」
「ほら行くぞ!! おこちゃまの檸檬は手繋いでないと迷子になるからな。」
幾が笑って手を繋いでくれる。
幾の笑い顔が好き。
幾が笑ってくれるならわたし何でもするよ。
だからもっともっと笑っていてよ。
わたしに幾の笑顔いっぱいください。