レモン白書~チャラ男との命がけの恋~
楽しい時間はあっという間に過ぎて行く。
帰りの電車に乗り込んで、外を見た。
また来れますように…。
幾と一緒に来れますように……。
電車が少しづつ動き出す。
思い出の地が小さくなっていく。
現実に引き戻されるみたいで怖かった。
でも、わたしなんかよりもっともっと怖かったよね。
繋いだ手はギュッと力いっぱい握られて、幾の肩がかすかに震えていた。
わたし達には何もできなかった。
もがいてもがいて、死から必死に逃げたけど、そんなわたし達を早く捕まえようとどこまでも追ってくる。
ねぇ幾。
神様はどうしてこうも残酷なんだろうね。
こんなに生きたいと願っているのに。
ねぇ。
どうして生きる事も許してもらえないんだろう。