レモン白書~チャラ男との命がけの恋~

大好きな檸檬へ

この手紙を残そうかどうか本当に迷ったんだ。

死んでいく俺が、檸檬にしてあげられる事って何か考えた。

形で残るものは辛すぎるから、思い出をあげたかったんだ。


旅行本当に楽しかったな。


本当にありがとうな。


泣き虫の檸檬はこれ読んでまた泣いてるだろうな。

側にいてやれなくて本当に悔しい。


俺は、生まれつき心臓がわるかった。

どうして俺ばかりこんな目にあうんだってずっと思っていた。


人より色んな事を我慢してきた。

そんな俺は、正也の苦しさに気付いてやることができなかった。

正也を深く傷つけていたんだ。


俺は正也から両親も取り上げ、そのうえ檸檬まで。

俺が生きていたら周りを不幸にするそう思っていた。

謝っても謝ってもきっと謝り足りない。

俺が正也を傷つけた。

それでも檸檬、君のそばにいたかったんだ。

なぁ檸檬。俺と正也が別々に生まれてきてなかったら、ひとりとして生まれてきてたら違った運命があったのかなぁ……。


檸檬、それでも俺と恋してくれたかい?












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