レモン白書~チャラ男との命がけの恋~


 「妊娠」

頭をよぎる。

心当たりはあった。

あの夜……。

いつもの不順って思ってた。



足が震える……。



怖い。


怖い。




〝バタバタ〟

    〝バタバタ〟


 「檸檬いる?」


麗の声がする。



 「麗……」


麗を呼ぶ声も震えてしまう。



 トイレの扉を少しだけ開けた。



 「檸檬ぁんた……」


 「麗、麗。」


震えるわたしの肩をゆっくり撫でてくれた。


蛇口をひねって口をゆすぐ。


鏡に映るわたしは青ざめて見えた。




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