レモン白書~チャラ男との命がけの恋~

 「仙崎さん、幾の居場所がわかったんだ。」


 「エッ。」


 「ドナーが見つかったんだよ……手術する事になったんだ。」

 
 「それって。」


 「幾、助かるんだよ。」


 「本当に??」


 「あぁ…リスクの大きい手術だけどきっと幾なら乗り越えるさ。」


 「うん。」

何が何だか分からない感情がこみ上げてくる。
嬉しいだけじゃ足りなくて……。
でも、不安もあって。

ごっちゃごちゃの感情。
嬉しいを通り越して……

それでもこの感情をうまく表現する言葉が見つからない。

 「嬉しすぎて、変になりそう。」


泣きだしたわたしの頭をポンポンって叩いて田代君がうぶやいた。


 「会いに行こう。」



幾に会える。


幾に……


ずっと会いたかったんだ。

ずっとずっと……


会いたいよ。

会いたいよ。


幾……








< 157 / 191 >

この作品をシェア

pagetop