レモン白書~チャラ男との命がけの恋~
「いらねぇ。」
「いいよ。あげるってば。」
わたしも立ち上がり彼にキャンディを押し付ける。
「俺が食べたいのは檸檬の口の中のキャンディ。」
そう言うと彼の顔がわたしの顔と重なる。
一瞬目の前から太陽の陽の光が消える。
押し付けられたくちびるから彼の体温が流れ込んで、肩を抱き寄せられる。
「うっぅ~ん。」
わたしの口の中に彼の舌が入って来て、キャンディを転がす。
そして、わたしの口の中から彼の口の中へとキャンディが移動する。
「おいしぃ。 」
彼は満足そうにキャンディを味わう。
「もう。」
わたしは、どこに向かってるんだろう。
口の中にかすかに残るレモンキャンディの甘酸っぱさがギュッて胸をしめつけた。