レモン白書~チャラ男との命がけの恋~
信じろっていうの?
でも、きっと事実なんだよね。
さっきまであんなに反発してた早瀬君が何も言わない。
「仙崎、聞いてくれるか?」
「聞いてもいいの?」
「聞いてほしいんだ。」
切なそうな目が。
切なそうな声が、わたしに訴える。
「俺と幾は二卵性双生児なんだ。」
「双子ってこと?」
「あぁそうだ。 そして俺は、子どもの出来ない母方の叔母の家に養子に出されたんだ……」
「養子?」
「そう養子。 だから名字もちがう。 」
「なんで、なんで養子なんかに…… 」
「それは、幾が……」
≪ドカッ≫
激しい音で、話しが中断する。
蹴り倒されて転がる傘立て。
「もういいよ……。」
早瀬君がわたしの手を振り解いた。