レモン白書~チャラ男との命がけの恋~
そして、何も知らず呑気な幾に言ったんだ。
「学校では絶対話しかけるな。」
「なんでだよ。 正也おかしくねぇか?」
「おかしいのは幾お前の両親さ。 生まれたての我が子を平気で捨てるんだからな。」
「何言ってんだよ!!」
幾が俺の胸ぐらを掴んだ。
俺は冷静にその手を振り払う。
「俺と幾お前は兄弟だ……」
「バッカじゃねぇの。 そんなこと……」
「嘘だと思うなら自分の口で確かめてみろよ!!俺は心臓の悪いお前の代わりに捨てられた。」
「嘘だ……」
幾の顔色がいっきに青ざめて行った。
俺はそんな幾をその場に置き去りにした。
仲良しごっこは終わった。
幾と俺、もう関わる事はないと思っていた。