空に手が届きそうだ
深は、扉を閉めて鍵をかけた。
「今日は、何買うの?」
「まだ、決めてない。」
繋がれている手が、熱い。
スーパーへ入ると、深がカゴを持った。
「何、食べたい?」
「なんでも、いい。」
「じゃあ、ハンバーグね。」
そう言って、野菜売り場を抜けて肉売り場へと行く。
「野菜は、あるからいいや。」
「えっ、トマト食べたい。」
「家にある。」
深が、止まったのは挽き肉のコーナー。
「合い挽き……。」
どれがいいかと、様々なのを手に取りながら選ぶ。
「ハンバーグ、大変じゃないの?」
「こねて、味付けて焼くだけだから、楽ちゃ楽。」
200gのを2パック入れた。
「付け合わせは、人参かな?」
そっと、優の手をひいて飲料水のコーナーへと行く。
「ジュース、何がいい?」
「炭酸がいい。」
1.5リットルのペットボトルを入れた。
「お酒は、飲まないの?」
「優居るし止めとく。」
そう言って、お菓子の所へと足を進める。
「お菓子いらない?」
「じゃあ……。」
いくつか、皆で食べられそうなのを選んだ。
深も、ポイッといくつか入れる。
「こんだけあったら足りるか」
すっかりカゴは、お菓子だらけになっていた。
「くるみ、走っちゃダメよ。」
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