空に手が届きそうだ
しゅっと、優から袋を預かるとカゴを戻した。
「持つよ。」
「いい。」
右手で、袋を持つと左手を優の方に差し出す。
少し、恥ずかしいと思いながらもその手をとってスーパーの外へ出た。
「蓮さん達、いつ来るの?」
「多分、もう居る。」
「へっ!?」
ピッと、車のすぐ側で鍵を開ける。
「飲んでるんじゃね?」
後部座席に、荷物を置くと運転席へ向かう。
「そうなんだ……。」
ゆっくり、扉を開けて乗った。
「ちゃんと、しめてんな。」
優が、シートベルトをしめたのを確認すりとエンジンをかけて車を発進させた。
「今日は、なんで蓮さん達来るの?」
「知らねえ。」
ぶっきらぼうに言う深は、少し楽しそうだ。
「やっぱり、楽しみ?」
「まぁな。」
「そっか。」
流れている音楽に、体を乗せる。
「悪かったな。言わなくて」
「何が?」
「流の事。」
「ちょっとびっくりしたけど、彗さん来るなら流さんも来るかなって思ったから謝る事ないよ。」
「そうか。」
「それより、ご飯楽しみだな。」
「色気より、食い気だな」
「悪かったわね。」
ぷっと顔を膨らました。
「冗談だっての」
「もぉ……。」
深と一緒に居ると、やっぱり楽しくて幸せだった。
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