逢いたい ~君ト私ノ切ナイ遠距離恋愛~
『今、お兄とそっち向かってるっ!準備しといて!』
菜月の電話が切れたことに気づくのもしばらく時間がかかった。
「準備しといて」
そう言われたことを思いだし、何も考えずにとりあえずワンピースとコートを着た。
携帯も持っていこうと思い、机に手を伸ばすが手が思うように動かない
やっとのことでとれた携帯はいとも簡単に手から落ちた
その衝撃で携帯の裏の電池カバーが取れてしまった
すると、そのカバーの裏側には1枚のプリクラが張ってあった
ちょっぴり恥ずかしそうに笑う先輩と先輩の腕をとり幸せな顔でピースをしている自分
それは、付き合い始めたころにとったプリクラだった。
そして、私の頭の中には菜月の一言が思い浮かぶ
「自分の言いたいこと言わないと後悔…」