鏡の中の僕に、花束を・・・
“お母さん・・・?”
掌のぬくもりは変わらない。まだ、奴には区別はつかなかった。だから、ここにも母親がいるのだと感じていた。恋とか愛とかの感情はまだない。だからだ。
僕はあまりの気持ち良さに、瞼を閉じた。うっとりしたと言うのが、正しいだろう。それでも、夕陽の眩しさは瞼を通して感じられた。彼女の影も感じられる。その影が動いた気がした。
「!?」
理解出来ない感触。なんだかわからない。ただ、とてもやわらかい。それはわかった。気になる。ゆっくりと瞼を開けると、彼女の顔が目の前にあった。
「?!」
何が、どうしたと言うのだ。視線をズラす。
「!?」
唇が触れている。彼女の唇が、僕の唇に触れている。つまり、キスしているらしい。あまりに現実離れしている光景に、夢の中にいるような、地に足がついていない、おかしな感覚に囚われた。
どれくらいの時間、彼女の唇は触れていたのだろうか。ほんの僅かな時間のような気もするし、それこそ永遠とも思える気もした。
そして、彼女が言った。
「いや・・・だった?」
その問いに、すぐに答えられなかった。いやな訳なんてない。彼女はとても素敵だ。それに引き換え、僕はどうだ。うだつのあがらない男だ。彼女には不釣合いだ。それもあり、頭の中の整理がつかなくて、何も言えなかった。
そんな僕に、彼女は哀しそうな表情を浮かべた。それを見て、やっと言葉の意味を理解した。
「そ、そんな事ないよ。うれしいよ。もう一度して欲しいくらいだよ。」
テンパっていたとはいえ、僕は何を言ってるんだ。これじゃ、嫌われるのは必至だ。
と思っているのは、僕だけだった。もう一度、触れる唇。今度のキスは、はっきりと現実だと感じられた。
掌のぬくもりは変わらない。まだ、奴には区別はつかなかった。だから、ここにも母親がいるのだと感じていた。恋とか愛とかの感情はまだない。だからだ。
僕はあまりの気持ち良さに、瞼を閉じた。うっとりしたと言うのが、正しいだろう。それでも、夕陽の眩しさは瞼を通して感じられた。彼女の影も感じられる。その影が動いた気がした。
「!?」
理解出来ない感触。なんだかわからない。ただ、とてもやわらかい。それはわかった。気になる。ゆっくりと瞼を開けると、彼女の顔が目の前にあった。
「?!」
何が、どうしたと言うのだ。視線をズラす。
「!?」
唇が触れている。彼女の唇が、僕の唇に触れている。つまり、キスしているらしい。あまりに現実離れしている光景に、夢の中にいるような、地に足がついていない、おかしな感覚に囚われた。
どれくらいの時間、彼女の唇は触れていたのだろうか。ほんの僅かな時間のような気もするし、それこそ永遠とも思える気もした。
そして、彼女が言った。
「いや・・・だった?」
その問いに、すぐに答えられなかった。いやな訳なんてない。彼女はとても素敵だ。それに引き換え、僕はどうだ。うだつのあがらない男だ。彼女には不釣合いだ。それもあり、頭の中の整理がつかなくて、何も言えなかった。
そんな僕に、彼女は哀しそうな表情を浮かべた。それを見て、やっと言葉の意味を理解した。
「そ、そんな事ないよ。うれしいよ。もう一度して欲しいくらいだよ。」
テンパっていたとはいえ、僕は何を言ってるんだ。これじゃ、嫌われるのは必至だ。
と思っているのは、僕だけだった。もう一度、触れる唇。今度のキスは、はっきりと現実だと感じられた。