鏡の中の僕に、花束を・・・
15
「おはよう。」
挨拶こそしたが、目は合わせられなかった。やはり、昨日、あんな事があった後では恥ずかしい。意識すると、耳が真っ赤になりそうなのがわかる。
「おはよう。」
その点、彼女は大人だ。実際、僕より二歳年上だ。たった二歳、しかし大きな差だ。それが落ち着いている彼女の表情から感じられた。
「じゃ、仕事場に行くね。」
心臓がうるさ過ぎる。早々にリビングを立ち去らないと、おかしくなりそうだ。
「えっ?どうしたの?」
彼女は僕の手を握り、仕事場に行くのを止めた。ここにいるのはマズい。どうにか仕事場に行く理由を、彼女に伝えなければならない。
「いや、ほら、仕事忙しいでしょ?」
「お父さん、そんな事言ってなかったよ。むしろ、落ち着いたんじゃないかな?さっき出掛けたくらいだし。」
「えっ?!」
まずい。非常にまずい。今、この場には二人きりと言う事だ。うるさ過ぎる心臓は、更に激しくリズムを刻んだ。
「だから、少しここにいたら?仕事場の鍵、お父さん持ってちゃったから。」
「合鍵とかないの?」
「あるけど・・・。そんなに私といるのが嫌?」
少し寂しそうな顔をした。そんな顔をされたら、困ってしまう。
「あ、いや、そうじゃないんだけど。」
マンガのようなシチュエーションに、男は冷静でいられない。男には男の事情があるのだ。
「じゃ、いいでしょ。今、お茶入れるね。」
僕の話を聞かずに、彼女は台所に向かってしまった。
挨拶こそしたが、目は合わせられなかった。やはり、昨日、あんな事があった後では恥ずかしい。意識すると、耳が真っ赤になりそうなのがわかる。
「おはよう。」
その点、彼女は大人だ。実際、僕より二歳年上だ。たった二歳、しかし大きな差だ。それが落ち着いている彼女の表情から感じられた。
「じゃ、仕事場に行くね。」
心臓がうるさ過ぎる。早々にリビングを立ち去らないと、おかしくなりそうだ。
「えっ?どうしたの?」
彼女は僕の手を握り、仕事場に行くのを止めた。ここにいるのはマズい。どうにか仕事場に行く理由を、彼女に伝えなければならない。
「いや、ほら、仕事忙しいでしょ?」
「お父さん、そんな事言ってなかったよ。むしろ、落ち着いたんじゃないかな?さっき出掛けたくらいだし。」
「えっ?!」
まずい。非常にまずい。今、この場には二人きりと言う事だ。うるさ過ぎる心臓は、更に激しくリズムを刻んだ。
「だから、少しここにいたら?仕事場の鍵、お父さん持ってちゃったから。」
「合鍵とかないの?」
「あるけど・・・。そんなに私といるのが嫌?」
少し寂しそうな顔をした。そんな顔をされたら、困ってしまう。
「あ、いや、そうじゃないんだけど。」
マンガのようなシチュエーションに、男は冷静でいられない。男には男の事情があるのだ。
「じゃ、いいでしょ。今、お茶入れるね。」
僕の話を聞かずに、彼女は台所に向かってしまった。