鏡の中の僕に、花束を・・・
「ん?どうかした?」
「時計、反対につけてるなって。」
「あぁ、これ。汗とかかくと痒くなっちゃって。それで反対側につけたんだ。」
「そうなんだ。」
なんでもない会話。それはさっきまでと同じだ。同じなのに、何かが違う。やさしさ、たくましさ、そんな簡単な言葉では括れない、それまで感じなかった何かを感じた。
そして、それが嬉しくなり笑った。
「どうしたの、急に?」
「ううん、なんでもない。」
そう言いながら、美園は手を握ってきた。それを握り返す。指を絡ませ、しばらく黙ったままだ。それなのに、お互いの気持ちがじんわりと伝わって来るようだ。
美園は瞼を閉じた。
「時計、反対につけてるなって。」
「あぁ、これ。汗とかかくと痒くなっちゃって。それで反対側につけたんだ。」
「そうなんだ。」
なんでもない会話。それはさっきまでと同じだ。同じなのに、何かが違う。やさしさ、たくましさ、そんな簡単な言葉では括れない、それまで感じなかった何かを感じた。
そして、それが嬉しくなり笑った。
「どうしたの、急に?」
「ううん、なんでもない。」
そう言いながら、美園は手を握ってきた。それを握り返す。指を絡ませ、しばらく黙ったままだ。それなのに、お互いの気持ちがじんわりと伝わって来るようだ。
美園は瞼を閉じた。