鏡の中の僕に、花束を・・・
駅までの道のり、僕は挙動不審だった。キョロキョロと周りを伺い、いったい何に怯えているのだと彼女には映ったはずだ。
「どうしたの?」
「な、なんでもないよ。」
「だって、何かにビクビクしてるみたいだよ。なんでもない訳ないでしょ?」
「ホント、ホントに何もないよ。」
「嘘だ。」
執拗に食い下がってきた。
「じゃ、笑わないでよ。」
「うん。」
「僕はこう見えても、いじめられっ子だったんだ。それに夜遊んだ事なんてないし・・・。だからさ、不良とかが来たら怖いなぁってね。」
半分本当で、半分嘘だ。確かに僕は不良の類いが苦手だ。けど、今なら不良の方がまだかわいい。奴に比べれば、はるかにマシだ。
「なんだかなぁ。」
彼女は笑わなかった。けど、大きなため息をついた。
「男の子がさ、そんな事を女の子の前で言ったらダメだよ。女の子は男の子に守って欲しいものなんだから。」
「ごめん。」
彼女を安心させようとしたのが裏目に出た。
「なんか千代田君って不思議だよね。」
「不思議?何が?」
「千代田君、まるで別人の時あるよね。さっきのミラーハウスの時とか。あの時みたいな千代田君の方が、私は好きだよ。」
「あの時の方が?いいの?」
奴がどんな風に彼女に接したのかは知らない。ただ、ショックだった。僕より化け物の奴の方が、彼女の心を掴んでいる。本物の人間である僕より、化け物の方が女心をわかっている。
しばらく言葉を失った。
「あ、そんなに気にしないでよ。悪気はないから。」
必死に訂正されれば、されるほど哀しくなった。
「だ、大丈夫。大丈夫だよ。気にしてない。気にしてないから。」
声が震えないように、力を込め堪えた。
「本当にゴメンね。」
「どうしたの?」
「な、なんでもないよ。」
「だって、何かにビクビクしてるみたいだよ。なんでもない訳ないでしょ?」
「ホント、ホントに何もないよ。」
「嘘だ。」
執拗に食い下がってきた。
「じゃ、笑わないでよ。」
「うん。」
「僕はこう見えても、いじめられっ子だったんだ。それに夜遊んだ事なんてないし・・・。だからさ、不良とかが来たら怖いなぁってね。」
半分本当で、半分嘘だ。確かに僕は不良の類いが苦手だ。けど、今なら不良の方がまだかわいい。奴に比べれば、はるかにマシだ。
「なんだかなぁ。」
彼女は笑わなかった。けど、大きなため息をついた。
「男の子がさ、そんな事を女の子の前で言ったらダメだよ。女の子は男の子に守って欲しいものなんだから。」
「ごめん。」
彼女を安心させようとしたのが裏目に出た。
「なんか千代田君って不思議だよね。」
「不思議?何が?」
「千代田君、まるで別人の時あるよね。さっきのミラーハウスの時とか。あの時みたいな千代田君の方が、私は好きだよ。」
「あの時の方が?いいの?」
奴がどんな風に彼女に接したのかは知らない。ただ、ショックだった。僕より化け物の奴の方が、彼女の心を掴んでいる。本物の人間である僕より、化け物の方が女心をわかっている。
しばらく言葉を失った。
「あ、そんなに気にしないでよ。悪気はないから。」
必死に訂正されれば、されるほど哀しくなった。
「だ、大丈夫。大丈夫だよ。気にしてない。気にしてないから。」
声が震えないように、力を込め堪えた。
「本当にゴメンね。」