鏡の中の僕に、花束を・・・
「き、きゃああああ・・・。」
永遠に続くのではないか、そう思えるほどの叫び。彼女は、部屋にあった姿見を見でいた。目を背けたい。と思っても、押さえつけられたままだから、どうにも出来ない。叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ。
恐怖で、必死に身を動かし、その場から逃れようとした。が、男の力には敵うはずもない。
「何なの、何なの・・・?」
涙ながらに聞いた。
が、何も答えてくれない。ただ、やさしく美園の胸を揉んでいた。そして、いやらしく笑う。
「お願い。何とか言ってよ。千代田くんじゃないの?」
「・・・。」
一呼吸おき、言葉を続けた。
「千代田?あぁ、あいつならあそこにいるよ。」
振り返り、姿見の中を指さした。
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