あふれる想い
高校1年

美佳side

春と夏の境目の5月。

4月に前の学校で入学式を迎えたばかりなのに違う学校に行っている。

なぜならパパの転勤。

もうこれで6回目。また新しく友達作らなくちゃ。

でもここの学校の制服かわいいんだよねぇ。

シャツにニットベスト、赤いネクタイに、目立ちすぎないチェックのスカート。

もうたまんないかわいい!

「うわっ!もう8時?!遅れる!行ってきま~す!」

「あら美佳朝ごはんは~?」

「いい!遅れる!いってきま~す!」

私、武田美佳。

ぴちぴちの高1で~す!

「はぁはぁ。間に合った。職員室。職員室あった。失礼します。新入生の武田美佳で
す。」

「あら。どうも教頭の佐藤良子です。担任はえ~と。あっ!あの先生よっ!」

と指差された先生のもとへ行く。

「あの武田美佳です。」

「あっ。ど~も。担任の新垣祐馬です。じゃ教室いこうか。」

「はい。」

新垣先生の後を着いていく。

「武田、教科書は届くまで隣のこに貸してもらいな。」

「はい。わかりました。」

ガラガラ。

「おっはよ~!がっき~」

一斉に何人か叫んだ。

「おう。おはよう。はいっ!じゃ授業始めるぞ~。 静かにしろ!」

すごい騒ぎだ。

「入ってこい!新入生の武田美佳だ!仲良くしろよ!はい。加藤の隣に座れ。加藤!教科
書当分はかしてやれよ!」

「はい。」

新垣先生の指差す方に向かう。

「私加藤菜摘。菜摘って呼んでね。」

「うん。私武田美佳。美佳でいいよ。」

友達第一号。


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