( 新撰組 * 恋情録 )
( 事件想起 )

 「 ん゙―‥何か重大な事を
    忘れてる気がするんだよね―‥ 」



 机に座って 足をぶらぶらさせながら
 あたし、霧島凜咲 ( キリシマ リサ ) は
 無い脳みそをフル回転させていた。

 あたしの周りには、何人かの友達。
 助けを求めるような視線を向けると
 その中の一人が苦笑しながら
 口を開いた。



 「 ど―せ凜咲の事だから、
     伊達がどうこうとか
        そういう話じゃねぇ? 」



 ( 伊達‥政宗様‥‥?! )



 「 あ―っ!それだっ!今日
  BA●ARA3の発売日!
  早く受け取りに行かなきゃ! 」

 「 いやマジかよ(笑) 」



 何を隠そう あたしはいわゆる歴女で、
 戦国時代に活躍した武将
 ( 特に伊達政宗様 ) が大好き。
 ‥誰に何と言われようと、
 好きだから良いんだもん!



 「 とゆ―ワケでっ! あたし帰るね!
  急いでお店行かなきゃ! バイバイっ 」



 超特急でスクバを手に取り、
 あたしは風の如く駆け出した。



 「 ‥凜咲、あれさえなけりゃ‥
  つか黙ってりゃめちゃくちゃ
  可愛いんだから、もっとモテる
  だろうにな‥。もったいねぇ―‥ 」



 そんな発言に同意する声も何もかも、
 今のあたしには全く届かない。

 あたしが今目指してるのは、モテ子
 じゃなくてT●UTAYAですから。
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