( 新撰組 * 恋情録 )
\ 執筆再開 /
大変長らくお待たせしました(焦)
亀速度には変わりありませんが、今日
からまた地味に更新して参りますっ!
‥覚えてくれてるといいなあorz(
[ 土方side ]
「 は―‥ッ 」
今日何度目かも分からない大きな
溜め息を口から漏らしながら、
顔を手の平で覆う。
―――怖い。
何十人の敵を目の前にしても。
何百人という人間を斬り殺してきても。
久しく抱くことのなかった感情が、
俺の中で激しく渦を巻く。
「 ‥おい、止まりやがれ‥ 」
―――情けなく手が震える程に。
あいつに―‥凜咲に触れるのが怖い。
触れた瞬間、儚くふっと消えてしまい
そうで。今まで確かにそこにあった
小さな温もりが、なかったことに
なってしまいそうで。‥怖い。
消えないで欲しい。
もしも歴史の意思とご対面出来ると
言うのなら俺は、矜持なんてかなぐり
捨てて土下座をしてでも―‥凜咲を
連れて行くなと懇願するだろう。
あいつの帰る場所が、時代が本来此処で
ないことくらい、充分過ぎる程に
理解してる。あいつだって本当は
現代に帰りたいと思ってるのかも
しれねぇ。‥だけど、それでも。
それでも俺は。
「 お前を失いたくねぇよ、馬鹿凜咲っ‥ 」
お前の帰る場所になりたかった。
‥いや、今でも死ぬ程それを望んでる。