( 新撰組 * 恋情録 )

 「 副長。会合は四国屋か池田屋にて
         行われる模様です。 」

 あたしの心臓が 不吉に
 どくん、と音を立てた。

 「 四国屋か池田屋か‥近藤さん、
       あんたはどっちだと思う 」

 「 俺か?俺は‥ 」

 ( 池田、屋‥? )

 胸を過ぎる、嫌な予感。
 その正体は分からなくて。

 ( 思い出せ、思い出せ‥! )

 必死に記憶の引き出しをこじ開けた。
 だけど、あたしが答えに辿り着く前に

 「 ‥何してる 」

 ――土方さんの冷たい声が、
 頭上で響いた。
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