( 新撰組 * 恋情録 )
――あたしは今、最高に混乱してる。
額が熱い。
土方さんの腕が熱い。
全身も次第に熱を帯び始める。
―‥なんであたしは、
抱き締められてるんだろう。
あたしは確か、泣いてて。
土方さんは、怒ってて。
逃げ出して。走って走って。
迷って辿り着いた、綺麗な縁側。
屯所にこんなとこがあったんだ、って
一目で気に入って。
それから柱に寄り掛かって
泣いてる内に、疲れて寝ちゃって。
目が覚めたら、怒ってるはずの
土方さんが居て。
あたしは温かい腕の中。
「 土方さん‥? 」
「 ‥何 」
「 怒ってないの‥? 」
「 ‥すげぇ怒ってる 」
あぅ。