今でもキミを
これがあたしの恋の始まり。
いかにも漫画やドラマでありそうな話だけど、
あたしにとっては大事な出逢いだった。
それからあたしは猛勉強をし、
ただひたすら先輩に逢いたくて、
もう一度先輩と話がしたくて、
寝ることなど忘れてこれでもかってくらい頑張った。
努力も実り、結果はみごと合格。
合格通知が担任から届いたときは
口から心臓が飛び出るほど嬉しかった。
「楓はすごいよね。
一目惚れだけでこんな頑張って。
そーゆー楓の一途なとこ本当尊敬するよ」
この子は神奈川愛夢(あむ)。
中学校で知り合ったあたしの親友。
愛夢は最初っからこの高校を受験することを決めていて、
オープンキャンパスに行ったのも
愛夢について行ったから。
だから愛夢がいなかったら三笠先輩ど出会えてなかったのだ。
顔もとびきり可愛くて
頭もいいし
あたしの自慢の親友。
「そりゃそうだよ!
あの時運命感じたんだもん!」
そんなことを話しているうちに
入学式の時間になった。