今でもキミを

「はい。ではこれから一年間よろしくお願いします」


記念すべき高校生活最初のホームルームとかいうのも終わり、
一年B組の生徒はみんなそれぞれ席を立ち
教室に残るのも数人となっていた。


「楓~恋はこれからだよ!泣くなあ!」

あたしはというと
三笠先輩のあの大胆かつ冷静な
一番恐れていた電撃発表により完全に電池切れ状態…
愛夢に励まされるも効果はなく…
悲し涙&悔し涙が止まらなかった。


「三笠先輩と付き合うために寝る間も惜しんで
必死に勉強したのに…
彼女…しかも「大好きな」彼女がいるなんて…
うわあぁぁぁぁん~…!!!」


先輩のカミングアウトからずうとこうだ。
だかたホームルームの内容だなんて
知るわけがない。
そんなあたしに愛夢が
追い討ちをかけるように口を開く。

「さっきのホームルームのことなんだけど
楓呼ばれてたよ?学習委員の仕事があるって…」
「は!?学習委員てなによ!!」

涙を流しながら
怒ったようすで愛夢に聞き返す。

「あんたそこも聞いてなかったワケ~!?んも~…
あんた学習委員になったのよ!ほら…そこにいる大地君って人と一緒に」


愛夢の指さす先には背の低い童顔の男子生徒がいた。
大地君は愛夢に聞くと
学習委員の仕事をしてくれているらしく、
やまずみのプリントを
パチンパチンと慣れた手つきで
一つの束にしていた。


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