守って☆タイガー
「ここは我が社の経営する倉橋総合病院。
運転手がお嬢様を家までお送りしていたところ、突然君が目の前に出てきたから病院へ運んでやったんだ」
「なっ!目の前に出てきたって…俺、車に引かれたのか!?」
ようやく自分が病院にいることを理解したが、真実を聞いて目を丸くする
って、俺車に引かれたのか!?骨折とかしてねぇだろうな!?
走行中の車の目の前に出てきたということを聞き、慌てて自分の体に異常がないか確認した
すると…
「勘違いするな。目の前に出てきたが勝手に倒れて気を失ったんだ。痛みを感じないだろ?」
「そう言われてみれば確かに…。怪我すらしてねぇ」
北野は呆れたように言い加え、また軽くため息を吐いた
すっかり早とちりした俺は頭を掻いて苦笑する
「医者に診てもらったところ、どうやら君はここ数日何も食べておらず、そのせいで倒れたらしい。なので応急処置として点滴をしてもらった」
「そうだったのか!病院まで運んでくれた上に点滴までしてくれてありがとな!」
無愛想で態度悪い奴だとは思ったけど案外良いところもあるじゃねーか!
そう心の中で北野に感心し、改めてお礼を言って部屋から出ようとした
しかし━…
━グイッ
「待て。誰が帰って良いと言った」
「はっ?」
なぜか北野は俺の肩をがっちりと掴み、俺を逃がさんと言わんばかりに引き止めた