ヒーロー フロム ザ アトランティス
ガボッとジャックが水面に顔を出した。
「なんだ坊主!脅かすなよ」
「おっさん、ここはオイラの縄張りだ。勝手に荒らすなよ!」
手にモリを掲げてジャックは叫んだ。
モリには数匹の魚がピチピチと動いていた。
「おまえ、飛び込んでからここに泳ぎ着く迄に、そんなに仕留めたのか?」
「へん!今日は少ないくらいだ」
ジャックは自慢げにアゴをしゃくった。
「もう一回向こう岸まで、泳いで往復してみてくれないか?」
「なんの為にさ」
「いいから!50セント欲しくないのか?」
「えーっ!50セント!?本当だね!」
ジャックはモリを岸に放り投げると、背中を向けて飛び込むや否やイルカのように力強く泳ぎ出した。
「見つけたぞ!ゴールドメダリストだ!」
バーナードは事故で利かなくなった足をさすりながら、歓喜の声を上げた。