ヒーロー フロム ザ アトランティス
「よいしょっと。おじーちゃんこんちは!あたし隣のひかる。8歳だよ」
老人はピクリとも動かなかった。
「あら、お隣のお嬢ちゃんね。こんにちは」
「こんにちはおばあちゃん。ねぇどうしておじーちゃんは、あたしと喋りたがらないの?」
「ごめんなさいね。おじいちゃんはずーっとこうなのよ」
「生まれたときから?」
「まさか」
メアリーは少し笑うと答えた。
「12年前に、私たちの大切な息子を事故で亡くしてからよ。心の病気なの」
「どうすれば治るの?」
「そうねぇ、お医者様は何かのきっかけで治る事もあるっておっしゃったけれど・・・」
神妙にしていたひかるに気づいたメアリーは、気を取り直して言った。
「ひかるちゃんみたいな可愛い子が、いつも来てくれたら急に治っちゃうかも」
「あたし毎日来てあげる!」
ひかるは無邪気に答えた。