ヒーロー フロム ザ アトランティス
学校から帰るとランチボックスを放り投げて、ひかるは水着に着替え、浮き輪を片手に毎日垣根を越えていた。
「おじーちゃん、おじーちゃんは昔凄い水泳の選手だったんでしょ?ママが言ってたもの。ママも東京オリンピックに、背泳ぎの選手で出たことがあるんだよ。あたしはまだ上手く泳げないんだけど」
ひかるは浮き輪を脇に、バチャバチャと水を叩いて見せた。
その時ひかるの目の前に水の柱がたった。柱の原因は飛沫を上げて、ひかるの浸かったプールを凄い勢いで往復した。
「わあー、速い速い!」
ひかるは手を叩いて喜んだ。
「ジュニア!!」
突然ジャックが立ち上がった。
「あーっ、おじーちゃん立ってる!」
ひかるの声に、メアリーが家の中から飛び出してきた。
「ジャック!まあ、あなた立ってるの!?」
「メアリー見ろ!ジュニアが戻ったぞ!」
「口もきけるのね。どうしましょう、ドクターを呼ばないと・・・えっ?ジュニアって言ったの今・・・」
メアリーはプールに目を移した。