ヒーロー フロム ザ アトランティス





「僕に弟を迎えに行かせて下さい!」



両親の後を追ってやってきたコクが、長官に向かって言った。



「僕はまだ、鱗が生えてません。陸に上がってもバレにくいし、大人より長く地上で息が出来ます」



「そうだな、たしかに人魚になってしまうと肺は殆ど退化して活動しなくなる。よし、コクに任せよう」


そう言って長官は部下に、北の区域から取り寄せさせた〔タイタニックワード〕のコピーを持ってくるように命じた。



「おそらく、タイタニックから助けた連中と同じ言葉を使っている筈だ。それをコクの言語中枢機能にインプットしろ。あと、地上のデータもな」



科学庁は数日に渡って、コクにアメリカのデータを植えつけた。





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