ヒーロー フロム ザ アトランティス





ひかるを子供部屋に送り出すと、美知子は洋一の顔をじっと見て言った。


「パパ、お仕事がお忙しいのは分かりますけど、ひかるはあなたが早く帰ってきてくれて、嬉しくてしょうがないんです。そこのところ理解してあげてください」



「だってママ、新しいスイムスーツの試作がうまくいかなくて・・・」



「パパのは八つ当たりです。今夜はひかるのベッドで休みます」



「そんなぁ、僕は君がいないと眠れないの知ってるくせにぃ」



洋一は急に弱腰になった。



「だからお仕置きになるのよ」


そう言って、美知子はひかるの部屋に向かった。



「ママ、僕が悪かった。反省するから!ごめんなさい!ママぁ」



それでも洋一は、置いてきぼりにされてしまった。
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